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環境配慮型製品の開発
地球にやさしい建設機械の開発・普及を目指して
ライフサイクル全体の環境配慮に徹した製品の開発・研究と普及に力を入れています。
環境適合設計はメーカの責任
日立建機では、製造段階だけでなくライフサイクル全体で環境負荷を低減できる製品を提供することがメーカとしての責任であり、持続可能な社会の実現にとって有効な選択であると考えています。
この考え方のもと、2000年から、製品設計時に従来機と環境性能を比較・評価して改善することを義務づける日立グループ共通の環境適合設計アセスメントを導入し、今日まで120機種以上の評価を行って環境適合製品として販売してきました。2010年度には、環境適合設計アセスメントを改訂し、ライフサイクル全体の環境負荷計算や従来機種との比較の自動計算、新たな環境規制への対応がより容易になりました。2011年度には、日立建機のほか、グループ会社のTCM、日立建機ティエラ、日立住友重機械建機クレーンなどに導入される予定です。また、マザー工場としての土浦工場でも、2007年に燃料の多くを天然ガスに転換するなどCO2排出削減に努めています。
環境適合製品とは

使用時の環境負荷を低減する技術
素材の段階から製造、流通、使用、廃棄に至る製品のライフサイクル全体のCO2排出量を見ていくと、素材の段階で9%、製品の製造で1%、稼働段階で90%となることがわかります。製品使用時のCO2排出量は燃料消費量そのものになり、お客様の使い方で大きく変わります。日立建機では製品の省エネを永遠のテーマとして開発を続け、燃費改善に取り組んできました。その結果、たとえば油圧ショベルZXシリーズではモデルチェンジ前に比べて10%以上の燃費改善を達成しています。
また、使用時の環境負荷低減に大きな効果のある電動化技術の開発にも力を入れており、日立グループのシナジーを活かしたハイブリッド化やバッテリ化を他社に先駆けて推進しています。日立グループでは、2025年時点で日立製品により年間1億トンのCO2排出抑制を目指しています。また日立建機でも2025年に使用時のCO2排出抑制量を350万トンとすることを目標にしています。この目標達成のためにも電動化をはじめとした省エネ技術にいっそう注力していきます。
環境対応と実用価値を両立したハイブリッドショベルを目指しました。

建設システム開発設計センタ
石川 広二
ハイブリッド油圧ショベル「ZH200」は、日立製作所も含めた全社プロジェクトで開発されました。単に電動化技術を追加するのではなく、実用的価値もそなえたモデルにすることを目指して新しい油圧システムなどさまざまな低燃費技術を開発し、効果とコストの最適な組み合わせを追求しました。多くの新技術開発に携われたことは自分の財産になっています。今後も「お客様にとって価値ある製品とは何か」を常に意識していきたいと思います。
環境適合製品事例1:ハイブリッド化による環境負荷低減
ハイブリッド油圧ショベル「ZH200」
自家用車の分野ではハイブリッド車の普及が進んでいますが、建設機械の分野も同様で、燃費効率改善、製品使用時のCO2排出量削減の点からハイブリッド建機への期待は大きくなっています。日立建機グループでは、1997年にTCMがハイブリッド式大型ホイールローダを製品化、その後エネルギー回生機能もそなえたモデルとするなど、いち早くハイブリッド化に取り組んできました。油圧ショベルのハイブリッド化については、2009年から普及型のハイブリッドショベルに向けたプロジェクトを始動しており、2011年7月には、その成果となる「ZH200」を発売します。

「ZH200」は、一般土木作業での標準的な使われ方で従来機の「ZX200-3」比20%の燃費改善を実現しており、価格を抑えてコストパフォーマンスを高めることにより、あらゆる現場に普及しうるモデルとすることを目指しています。また、1台販売するごとに製造時CO2排出量相当のCO2排出権を獲得し、日本政府に無償譲渡する独自のカーボンオフセットを行うことにより、日本の温室効果ガス削減目標達成に貢献します。
環境適合製品事例2:バッテリ化による環境負荷低減
バッテリミニショベル「ZX35B」
使用時のCO2排出削減にはバッテリ化も有効です。日立建機グループでは、2006年に5トンクラス「ZX50UB」、7トンクラス「ZX70B」のリチウムイオンバッテリ式油圧ショベルを発売、現在も稼働しています。特に狭い現場での作業に用いられるミニショベルの分野では、騒音や排ガス低減の観点からも、今後急速にバッテリ化が進むと考えられます。

2009年、日立建機グループは日立製作所と合同で電動化プロジェクトを立ち上げ、よりエネルギー効率の高いバッテリミニショベルの研究を開始する一方、「ZX50UB」をお使いいただいていたお客様のご要望にお応えして、広く普及している「ZX35U-3」をベースとしたバッテリミニショベルを開発しました。こうして2011年2月に完成したのが「ZX35B」。いっそう小型化した上で、より長時間の作業を可能にし、複数の電源電圧への対応、バッテリ部カートリッジ化などを実現したこのモデルは、まさに日立グループのシナジーの結実です。稼働中のCO2排出はゼロ、騒音はエンジン式に比べて10dB小さく、充電時の発電所などでのCO2排出量を考慮すると、エンジン式に比べて約65%のCO2排出量低減が見込まれます。
環境適合製品事例3:マイニング事業の効率化を実現する
トロリー式ダンプトラック
鉱山資源採掘(マイニング)向けの超大型建設機械の場合、CO2排出削減や、燃費効率と作業効率の向上は特に切実な課題です。日立建機グループではこれまでトロリー式ダンプトラックなど電気式超大型機械を数多く手がけ、そうしたニーズに応えてきました。トロリーとは、パンタグラフを経由して架線から電気供給を受ける方式。トロリートラックでは、ディーゼル式に比べて登坂速度が上がり、エンジンの負荷が小さいためエンジン寿命が延びてオーバーホール頻度が減らせることなどから生産量・稼働率向上につながります。また軽油の代わりに安価な電気で駆動するため運用費低減にも有効で、さらに燃料消費、CO2排出量が低減するので、環境負荷低減に大きく貢献する方式といえます。

近年ではアフリカ・ザンビアの銅鉱山に27台導入されて超大型油圧ショベルとともに稼働しており、さらに5台を受注しています。今後も、日立製作所製モータを搭載するなど、日立グループ一体でシナジーを活かした製品開発に力を入れていきます。