2011年3月期の業績

業績概況

当連結会計年度(2010年4月1日〜2011年3月31日)(以下、「当年度」という。)における世界経済は、各国の景気刺激策の効果や、中国をはじめとする新興国の経済成長に牽引され、回復傾向で推移しました。

建設機械市場につきましては、引き続き中国における旺盛な需要に加え、アジアなど新興市場の需要が増加傾向を示すなど、世界全体の建設機械需要は増加しました。

このような情勢の中、当連結グループは、建設機械の旺盛な需要増加に対応すべく、各新興国の経済政策の動向を注視し、新興国向けの新型油圧ショベルの拡販および営業支援システムを導入し、需要の取り込みに努めました。

以上の結果、連結売上高は7,737億6千9百万円(前年度比128%)、営業利益は415億1千1百万円(同211%)となりました。

営業外損益の主なものは受取利息32億8百万円、為替差益31億5千2百万円、支払利息88億6千7百万円であり、経常利益は419億1千2百万円(同219%)となりました。

しかしながら、2011年3月11日に発生した東日本大震災によって、当連結グループにおいても被災地域で拠点、生産設備並びにたな卸資産などが被害を受けました。その後、早急に設備復旧を行い3月28日までには全工場での一部生産を開始するなど、影響を最小限に止めましたが、これにより災害による損失67億7千9百万円を特別損失に計上し、当期純利益は110億8千8百万円(同276%)となりました。

セグメント別概況(事業別)

建設機械事業

建設関連製品は、主力の油圧ショベル「ZAXIS-3型」シリーズ、ホイールローダ「ZW」シリーズに加え、新興国特有のニーズに対応した強化モデルである「ZAXIS-3G」の拡販に努めました。

資源開発関連製品は、新エンジンを搭載した超大型油圧ショベル「EX-6型」シリーズ、外部から電源供給を受けて稼働する電動式超大型油圧ショベルシリーズの拡販に努めました。AC(交流)駆動方式の採用により高い走行性能を実現したマイニング(鉱山)ダンプトラックシリーズでは、「EH4000AC II」を発売し、ラインアップの充実に取り組みました。また、架電設備からの給電により登坂時などの効率を向上させたトロリー式ダンプトラックシリーズの拡販に努めるとともに、ダンプ本体に複数のカメラを搭載することにより、周囲の安全確認を支援する「オーバービューモニターシステム」をクラリオン株式会社と共同開発しました。ソフト分野では、マイニング(鉱山)における機械の運行管理の最適化を図るシステムおよびその保守サービスの受注に努めました。

連結売上高は、7,129億2千6百万円(前年度比129%)となりました。

産業車両事業

主力のフォークリフトは、中国、アジア、CIS、中南米、アフリカなどの新興国を中心に需要は引き続き堅調に推移しましたが、よりいっそう市場環境は厳しさを増しています。

このような状況下、TCM(株)では新興国向け戦略車の市場投入、また製造、国内販売会社の統合など、積極的な諸施策を推進しました。

港湾関連製品については、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)補助金制度を追い風に、環境対応型のハイブリッドトランスファークレーンを中心に受注・引き合いが活発化しました。

連結売上高は、608億4千3百万円(前年度比113%)となりました。

セグメント別概況(地域別):日本

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売上高構成比(%)
22.3%

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売上高(億円)
1,727億円

公共投資は低調に推移しましたが、民間の住宅投資および企業の設備投資などの持ち直しやレンタル業の需要に支えられ、油圧ショベルの需要は回復に転じました。

このような状況下、建設機械の用途拡大が期待される非土木分野において、林業、解体、鉄鋼・スクラップ向けに最適なオプションを組み合わせた各業種別専用機を拡販するなど、さらなる業種別提案営業の強化に取り組みました。

なお、2011年3月11日に発生した東日本大震災による生産拠点の被災により、3月に出荷、売上を予定していた一部の製品が4月以降の出荷になるなど、影響が出ました。

連結売上高は、1,727億1百万円(前年度比101%)となりました。

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林業向け専用機

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解体向け専用機

セグメント別概況(地域別):米州

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売上高構成比(%)
8.1%

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売上高(億円)
624億円

米国経済は設備投資が増加するなど、緩やかながら回復しました。建設機械につきましても更新需要およびレンタル稼働率の上昇に伴い、レンタル会社の保有資産の拡大と更新が進んだことなどにより、需要は増加しました。

このような状況下、ディア日立コンストラクションマシナリーCorp.では、生産計画を拡大し需要獲得に向けた体制整備に取り組みました。

連結売上高は、623億5千1百万円(前年度比167%)となりました。

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ディア日立コンストラクションマシナリーCorp.の生産工場(外観)

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ディア日立コンストラクションマシナリーCorp.の生産工場(内観)

セグメント別概況(地域別):欧州

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売上高構成比(%)
8.6%

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売上高(億円)
664億円

欧州経済は一部の国を除き、全体としては緩やかな回復傾向で推移しています。建設機械需要については低水準ながら回復に転じています。

このような状況下、ミニショベル、大型を含めたホイールローダのラインアップの充実に加え、油圧ショベルおよびホイール式油圧ショベルの各種応用製品の積極的な拡販に努めました。さらに部品販売についても各種施策を展開するとともに代理店網の強化に取り組みました。

連結売上高は、663億6千7百万円(前年度比105%)となりました。

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ホイールローダ

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油圧ショベル

セグメント別概況(地域別):ロシアCIS・アフリカ・中近東

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売上高構成比(%)
8.4%

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売上高(億円)
652億円

ロシアCISでは、石油・ガスなどの資源開発および鉄鋼・工業地帯であるウラル地域などにおける開発案件においてマイニング(鉱山)関連事業が引き続き好調に推移し、需要は増加しました。

このような状況下、販売代理店に対するマイニング(鉱山)機械の技術・営業支援に加え、部品供給・サービス支援の強化を図るなど、総合的な競争力向上に努めました。また、今後さらに需要増加が見込まれることから、トヴェリ州とロシア新工場の建設に関する基本契約を締結しました。

アフリカでは、銅鉱山の多いザンビアにおいて日立建機ザンビアCo., Ltd.を設立し、マイニング(鉱山)用の超大型機・再生部品事業の推進を含め、部品サポート体制の強化を図りました。また、豊富な資源需要を背景に今後発展が見込まれるサブサハラ市場の開拓など、アフリカ全域での事業拡大のため、アフリカ事業統括会社日立建機アフリカPty.Ltd.を設立しました。

中近東では、トルコにおいて引き続き高いシェアを獲得しました。また、高い資源需要を背景にトルコ大手コントラクターの取り込みに注力しました。 

連結売上高は、651億4千9百万円(前年度比195%)となりました。

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ロシア トヴェリ州との投資基本契約に署名

セグメント別概況(地域別):アジア大洋州

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売上高構成比(%)
26.2%

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売上高(億円)
2,024億円

アジアでは、景気刺激策および中国向け輸出増加の影響から景気は堅調に推移しました。建設機械につきましても社会インフラ整備などにより増加しました。また、激化するアジア市場に対応するため、国別・業種別戦略の展開として戦略的営業支援システム「Hi-STEP」の全面導入・定着化を完了し、営業力強化およびシェア獲得に努めました。またインドネシアでは、林業・パームオイル関連およびマイニング(鉱山)関連市場が引き続き伸長しており、建設機械需要は過去最大規模で推移しており、アジア最大市場でのさらなる高シェア獲得に努めました。こうした状況を踏まえ、日立建機インドネシアでは生産能力の増強に着手しました。

インドでは、テルココンストラクションエクイップメントCo., Ltd.において、高いマーケットシェアの維持をめざし積極的な拡販を図りました。

オーストラリアでは、依然として堅調なマイニング(鉱山)関連需要の確実な取り込みに努めるとともに、中小型ショベルの拡販にも注力しました。また、レンタル、鉄鋼、スクラップ、鉄道関係などの新規大手顧客に対する拡販を図ってまいりました。

連結売上高は、2,024億4千4百万円(前年度比143%)となりました。

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戦略的営業支援システム「Hi-STEP」の全面導入(インドネシア)

セグメント別概況(地域別):中国

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売上高構成比(%)
26.4%

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売上高(億円)
2,048億円

インフラ投資による公共工事が継続しており、建設機械需要は全域で増加しました。

今年度より順次市場投入した新興国向け油圧ショベル「ZAXIS-3G」は、中国工程機械工業協会の「2010中国建設機械年度トップ50技術創新金賞」を受賞するなど市場から高評価を獲得し、需要取込みに貢献しました。また、新たにサービス・部品販売管理システムを導入し、代理店支援体制の強化を図るなど、運用面の充実を行いました。これに加え、稼働機の状態を把握することが可能な「グローバル e-Service」システムを活用することにより、代理店との協力関係の強化、顧客満足度のいっそうの向上をめざしました。このような状況下、現地工場の日立建機(中国)では需要の増加に対応するため、増産体制の構築を計画的に進めました。

連結売上高は、2,047億5千7百万円(前年度比129%)となりました。

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新興国向け油圧ショベル「ZX330-3G」

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中国工程機械工業協会の「2010中国建設機械年度トップ50技術創新金賞」