暖機運転の重要性と実施方法について
今回は暖気運転の重要性と実施方法についてご紹介します。
(1)寒冷時の暖機運転/始動方法
- 寒冷時(外気温が0℃以下の時)においては、エンジンの始動性を良くするために、吸入空気を暖める必要があります。
- 製品の仕向け地によっては、下の絵のようなプレヒートスイッチが装備されております。このような製品については、寒さでエンジン始動が困難な時には、
- キースイッチをONにする。
- プレヒートスイッチをONにする。
- プレヒートランプの点灯(外気温が0℃以下の場合)を確認し、30秒以内にエンジンを始動させる。
- エンジンが始動したら、自動的にプレヒートが終了する。

(2)シリンダ・油圧モータの暖機運転
小型・中型の油圧ショベルを運転する際も暖機運転は必要ですが、特に大型機においては、一つひとつの部品が大きいため、暖機運転の時間をより長く取る必要があります。例えばZX200の作動油タンク容量は200Lですが、EX1200では約1400Lにもなり、油圧機器であるシリンダやモータ内部が暖まるのに時間を要します。
従って、運転適正範囲である30℃〜70℃まで作動油を暖め、油圧機器の作動に対し適正温度にする必要があります。暖機運転をしっかり行い、作動油温を適正にすることは製品寿命に大きく係ってきます。
暖機運転の方法としては、
- エンジンを中速回転程度にする。
- ブーム・アーム・バケットの各シリンダを5分程度ゆっくり動かす。
- 次に軽く旋回および走行をさせ、作動油を油圧機器に潤滑させる。
- バケットのサイクルタイムが正常値になるまで暖機運転を繰り返す。
※なお、暖機運転時に15秒以上のリリーフ操作は行わないでください。

(3)作動油温の適正温度
運転時の作動油の適正温度は30℃〜70℃であり、それよりも油温が低いと、作動油は粘度が高い状態になります。
粘度が高い場合、油圧機器の早期損傷や油圧配管・ホースの早期劣化、損傷の原因となります。
また、適正温度より油温が高いと粘度が低くなり、下記のようなトラブルの原因となる他、作動油の酸化速度が早くなり、作動油の寿命が短くなります。
- 油漏れ
- 作動効率の低下(容積効率低下)
- 作業装置の精度低下
- 潤滑不足に起因する油圧機器の損傷

(4)作動油の性状変化について
油圧ショベルなど建設機械で使用する作動油の劣化は、製品の寿命に大きな影響を与えます。
永く使用するためにも、下記のことを行ってください。
- 暖機運転を必ず行うこと(エンジン及び油圧機器)
- 取扱説明書に準じた作動油の交換を行うこと
なお、作業油の劣化等により見られる性状変化には次のようなものがあります。
| ■作動油の性状変化と原因 | |||
|---|---|---|---|
| 項目 | 変化 | 原因 | |
| 粘度 | 増加または低下 |
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| 全酸価 | 増加または減少 |
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| 水分離性 | 分離時間が長くなる |
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| 比重 | 増加または減少 |
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| 引火点 | 低下 |
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| 消泡性 | 泡立ちの増大 放気性能低下 |
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| 色相 | 濃くなる 不透明になる |
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